CPP試験対策:CSR(企業の社会的責任)と調達の関わりについて整理(2025/06/01)

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今回はCPP(Certified Procurement Professional)試験に向けて学習した「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」に関する内容をまとめます。

CSR(企業の社会的責任)とは?

CSRとは、企業が法令や国際規範を遵守し、利害関係者(ステークホルダー)の期待に配慮しながら、持続可能な社会の発展に貢献し、企業活動による社会的影響に責任を持つことです。

  • SDGs(持続可能な開発目標)の実現もCSRの一環
  • 社会にとって「正の影響を最大化・負の影響を最小化」する姿勢が求められます

CSRと調達の関係性

企業の調達活動もCSRの対象です。具体的には以下のようなテーマが関連しています。

1. 環境配慮(グリーン調達)

  • 公害やCO₂排出を削減する調達
  • トラックから鉄道への輸送切替(モーダルシフト)など

2. 倫理的調達

  • 公正な取引、下請法遵守、海外調達における法令順守
  • サプライヤーの児童労働禁止、フェアトレードへの対応

3. 地域社会との連携

  • メセナやフィランソロピー活動(教育・文化・福祉への貢献)
  • 地元企業からの積極調達など、地域との共生

4. 労働安全衛生

  • サプライヤー含む全体の安全衛生管理
  • 調達品の品質・安全も含めた対応が必要

5. 人権問題

  • ダイバーシティ尊重、差別の禁止
  • 紛争鉱物(3TG)への対応とサプライチェーン調査
  • DRCやCAHRAs地域における法規制の理解

6. 財務と内部統制

  • J-SOX法に基づく内部統制強化
  • コンプライアンス違反が企業価値に直結するリスク

7. 情報セキュリティ

  • 個人情報保護法への対応
  • サプライヤー選定時の情報管理能力の確認

CSRの国際的ガイドライン:ISO26000とISO20400

ISO26000(2010年発行)

CSRに関する国際的なガイドライン。第三者認証は不要なガイダンス文書として位置付けられています。

  • CSRの7原則:
    1. 説明責任
    2. 透明性
    3. 倫理的行動
    4. ステークホルダー尊重
    5. 法の支配
    6. 国際行動規範の尊重
    7. 人権の尊重
  • CSRの7つの中核主題:
    • 組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティ発展

ISO20400(2017年発行)

調達領域に特化したCSRガイドライン。持続可能な調達の実践を支援します。


まとめ:CSRは調達に直結するテーマ

CSRは企業の評価や投資にも影響を与える重要テーマ。調達部門としても「社会に貢献する調達」を実践する必要があります。CPP試験ではこのような視点から出題されることが予想されるため、ISOのガイドラインや具体的事例をしっかり押さえておきましょう。

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